「新NISA貧乏」の末路…貯金ゼロで“特別支出”に詰む若者たち。正しい積立順序とは?

「新NISA貧乏」という本末転倒。老後の2000万より、今月の「特別支出」で詰む若者たち

「老後が不安だから、新NISAは満額で積み立てなきゃ」
「貯金するくらいなら、全部オルカンやS&P500に回した方が効率がいい」

2024年に始まった新NISAブーム。SNSを開けば「投資をしていない人は機会損失」「一刻も早く資産形成を」という言葉が飛び交っています。しかし今、その熱狂の裏で「新NISA貧乏」という、笑えない現代病に罹る人が急増しているのをご存知でしょうか。

将来の安心を買うために、今の生活を極限まで切り詰める。手元には1万円の現金すら残らない。
そんな「資産はあるのに、使えるお金がない」という歪な暮らしの危うさと、私たちが本当に目を向けるべき「家計の落とし穴」について、少し立ち止まって考えてみませんか。

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毎月カツカツ…東京の一人暮らしに潜む「新NISA貧乏」の実態

NISAの平均積立額は、毎月5?6万円ほどと言われています。しかし、現在の物価高騰は凄まじく、食費も光熱費も、そして家賃すらも値上がりの一途をたどっています。

たとえば、手取り20万円の若者が東京23区で一人暮らしをするとしましょう。家賃相場はおよそ10万円。残った10万円から、値上がりしたスマホ代や電気代、日々の食費を払えば、手元に残るのは決して多くありません。

それなのに、SNSの「複利の効果」や「若いうちに投資せよ」という煽り文句を真に受け、残ったお金をすべて新NISAにぶち込んでしまう。

「今月も口座残高は数百円だけど、アプリの画面では投資信託が10万円分増えているから大丈夫」

本当に、大丈夫でしょうか?
こうした「実質貯金ゼロ」のギリギリ家計を襲うのが、ある日突然やってくる「特別支出」という魔物です。

あなたの家計を一瞬で崩壊させる「特別支出」の罠

特別支出とは、毎月の固定費(家賃や光熱費など)とは異なり、「毎月ではないけれど、年に数回必ず発生する支出」のことです。

友人の結婚式が重なり、ご祝儀で3万円×3回=9万円が飛ぶ

夏場にエアコンが突然壊れ、買い替えに10万円かかる

帰省費用や、親の還暦祝い、突然の病気による医療費

これらは決して「無駄遣い」ではありません。人生を豊かに生きるため、あるいは生きていく上で避けられない必要経費です。

しかし、手元の現金をすべて新NISAに回している人は、この数万円~十数万円の「特別支出」に対応できません。なぜなら、投資信託は「今すぐコンビニのATMで下ろせるお金」ではないからです。

「投資を切り崩せない」心理が、若者をキャッシングへ走らせる

「お金が足りなくなったら、新NISAを一部解約して現金化すればいいじゃないか」

理論上はそうです。しかし、人間の心理はそう単純ではありません。「将来のための大切な資産を減らしたくない」という強いサンクコスト効果(執着心)が働きます。
さらに、運悪くその時に「株価が暴落(元本割れ)」していたらどうでしょう。誰もが「今売りたくない、損したくない」と足がすくむはずです。

結果として、新NISAの口座には数十万円の資産があるにもかかわらず、目の前の結婚式のご祝儀を払うために「カードのキャッシング(借金)」や「リボ払い」に手を染めてしまう若者が後を絶たないのです。

年利数パーセントの運用益を狙うために投資をしているのに、年利15%近いキャッシングの金利を払う――。これほど本末転倒な話はありません。

お金は「使うため」にある。幸せな人生のための積立順序

私たちは何のために生きているのでしょうか。

40年後の老後をバラ色にするために、20代、30代という「今しかできない体験」ができる貴重な時間を、極貧生活で犠牲にしていいわけがありません。

お金は、使うために貯めるものです。
新NISA貧乏から脱却し、心の余裕を取り戻すためには、資産形成の「順序」を180度変える必要があります。

正しいお金の積み立て順序

  1. 生活防衛資金(現金)を確保する まずは、万が一の失業や病気に備え、生活費の3~6ヶ月分の「現金」を銀行口座に確保します。
  2. 年間特別支出枠(現金)を確保する 冠婚葬祭や家電の買い替え、旅行代など、年間でかかりそうな特別支出をあらかじめ予測し、その分をプールしておきます。
  3. 余剰資金で「新NISA」を始める 1と2の現金を確保した上で、ようやく「向こう10年は絶対に触らなくていいお金」を新NISAの積立に回します。

結論:老後の安心に縛られず、「今」を生きるための投資を

老後を心配するあまり、現在の暮らしを犠牲にして心をすり減らすのは、決して「幸せな人生」とは言えません。

新NISAはあくまで、人生を豊かにするための「手段」であり、「目的」ではないのです。

もし今、あなたの財布や銀行口座がカツカツなら、勇気を持って積立金額を下げてください。毎月1万円でも、3000円でも構いません。

まずは「何かあっても大丈夫」という現金の盾(心の余裕)を作ること。

未来の自分を救う前に、まずは「今日の自分」を幸せにすることから始めてみませんか。

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